一年のうちで最も寒いとされる頃合いにやってくるからか、
二月は、如月を“衣更着(ころもを更に着る)”と書いたりもしたそうだし、
実際は“大寒”のころ、一月下旬が寒いのだけれど、
いやいや油断しちゃいかんということか、二月の方が寒い印象も強くて。
そんなせいか、
獅子の様に襲い来て、
ウサギのように駈け去る月とも言われているほど。
“まあ、この冬は12月から寒かったしな。”
もこもこの重ね着姿を気に入ってるルフィさんなものだから、
そういうカッコが自然にこなせて嬉しいとか言ってたなぁと。
懐へ埋まっておいでのふわふかな頬をつつんと突付く。
鈍感な方じゃあなかった筈だが、
さすがに熟睡中か、
うにゅとも唸らず、何の反応もない寝顔はたいそう安らか。
肌合いが柔らかだというだけじゃあなくて、
二十代男子とは思えぬ小柄さに見合った、
まろやかな輪郭をした肢体にそぐう、
そりゃあ無邪気な気性の奥方は、
ライオン級の寒波が来たとて
身をすくめるどころか、
“ごっそり着込んで飛び出してきそうだしな。”
土曜や週末も休みと限らぬ身のご亭主だが、
今日明日のイベントは、
企画側で直前まで奔走したので
現場には出ずともいい立場だしと、
のんびりする気満々でいたのだけれど。
「…うにゅい。」
何かつぶやいたものか、
頬っぺがこそばゆい仔猫みたいに
こちらへうりうりと柔らかな頬を擦りつけて来るのが
何とも愛らしくって見飽きないものだから、
“いかんなぁ。”
早起きしたらばジョギングに出るはず、
しっかと6時前に目覚めたのだけれど。
もう部屋の中もすっかりと明るい時間帯だというに
目覚めた位置から動けずに居る始末。
“ライオンどころか、
ウサギが跳ね回ってそうないい天気だのになぁ。”
よほどにうららかなお日和なのだろう、
どこかの梢でさえずる鳥の声までするというに、
なかなか床から離れられない、
ジャパニーズビジネスマンのご亭主、
奥方にはナイショの、至福のひとときなのでありました。
〜Fine〜 14.2.01.
*インフルで引っ繰り返っておりましたため、
ゾロさんの“愛妻の日リベンジ”は書けませんでしたので、
せめてその翌朝の何となく和んでいるところをチラリとvv
* *めるふぉvv
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